外交防衛委員会の質問内容です。

参議院議員 牧山ひろえ 外交防衛委員会質問 2007.11.27
参議院議員 牧山ひろえ 外交防衛委員会2007.11.27
○委員長(北澤俊美君) イラクにおける自衛隊の部隊等による対応措置を直ちに終了させるためのイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法を廃止する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。

○牧山ひろえ君
 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願い申し上げます。
 質問に先立ちまして、委員長に御提案があります。
 航空・防衛分野の専門商社山田洋行が二〇〇三年度と二〇〇四年度にアメリカの企業から輸入して防衛庁に納入した自衛隊向け機器部品の水増し請求問題に関して、お手元に配付した文書、この文書の英訳を委員長名で該当するアメリカ企業に送付したいと考えております。
 これは、同社による水増し事件を早期に解決し、ひいては一部防衛省職員による業者との不適切な癒着関係を断ち切らせるためにも必要な手段です。この件につき、委員長でよろしくお取り計らいくださいますようお願い申し上げます。

○委員長(北澤俊美君) ただいまの牧山ひろえ君の御提案につきましては、後刻理事会で協議をいたして決定をいたしたいと思います。

○牧山ひろえ君
 それでは、本題に移らせていただきます。
 イラク人道復興支援特別措置法に基づいて派遣されている航空自衛隊の部隊は、平成十六年三月三日から活動しています。C130型輸送機による人道復興物資の輸送活動が主な任務であると認識しています。陸上自衛隊の部隊は昨年七月十七日に撤収していますが、この空輸活動は続けられていて、その実績は、平成十六年の三月から平成十九年十月の間に六百二回、合計五百五十トンとなっています。一回当たり〇・九トンです。しかしながら、本年十月の空輸実績に至っては二十二回でわずか〇・五トンです。一回当たりに換算すると二十二・七キログラムです。その任務の必要性も低下しています。
 現在、航空自衛隊が活動しているのは、クウェートを基地としてエルビル空港とバグダッド空港の間を飛行する空路であり、この両空港は、現在、民間の航空機による物資の輸送も可能となっています。更に言えば、十月の一回当たりの輸送重量は二十二・七キログラムですから、考え方によっては軽トラックでも積載可能な重さです。
 空輸活動自体が疑問視されている中で、わざわざ大量の燃料を使って航空自衛隊の輸送機で空輸する必要はないと思いますが、石破大臣はいかがお考えでしょうか。

○国務大臣(石破茂君) 委員長、座ったままの答弁でよろしいですか。

○委員長(北澤俊美君) どうぞ。

○国務大臣(石破茂君) それでは、なぜ空自でなければならないのかというお尋ねでございます。
 空自による輸送活動というのは、国連でありますとか多国籍軍でありますとかそういうニーズに基づいて行われているものでございます。民航機でもよいではないか、軽トラと同じではないかというお話でございますが、いわゆる空自機によります輸送の一番のメリットというのは、安定的にかつ安全に、安全にというのはいろいろな危難から身を守り物をきちんと安全に運ぶという意味で安全と申し上げておるわけですが、安定的かつ安全な輸送手段としての意味を持つということで、ほかのものには代替し難いものだというふうに考えております。
 国連の事務局から、民間機の利用についてこのように言われております。アンマン―エルビル間及びウィーン―エルビル間の民間機の利用が認められているだけでございます。これ以外については、国連から引き続き、バグダッドを含むイラク国内のいかなる地点間の移動についても、またイラク国内と国外への移動についても民間機の利用を国連は認めておりません。
 したがいまして、エルビルへの出入りについては民航機が就航しているのだから空自による支援は不要であるというような御指摘は、私はこの国連の事務局の申しておりますことには反するものだというふうに考えておるわけでございます。
 これは委員も御記憶だと思いますが、デメロ代表を始め国連要員二十余名が死亡いたしました二〇〇三年のバグダッド国連事務所の爆破事件というものがございました。あの事件というものが強い背景としてございまして、国連はイラクにおける人道復興支援を進めるに当たって要員の安全というものには細心の注意を払っております。
 イラク国内における治安情勢が依然厳しいことから、民航機に比べ危険を回避する高い能力を持っている自衛隊あるいは各国軍の軍輸送機、これで国連要員を移動させたいという国連の強い考え方があるわけでございまして、さればこそ、国連事務総長潘基文氏、あるいは前の事務総長、カジ事務総長イラク特別代表からは繰り返して国連の輸送を継続してくれと言われておりますのはこういう背景に基づくものであると私は承知をいたしております。  以上です。

○牧山ひろえ君
 恐らくいまだ治安が回復していない地域が多く残り、陸路による輸送よりも空路による輸送の方が危険度が比較的低いと判断しているのだと思います。つまり、政府の見解としては非戦闘地域と言いたいのでしょうが、少なくとも安全な場所ではないと認識されていらっしゃるのではないでしょうか。大臣、イラクの特定地域では車による物資の輸送が治安上困難だから空輸に頼っているという推測をせざるを得ません。
 本年六月十九日の参議院外交防衛委員会で我が党の浅尾議員の航空自衛隊の飛行経路下は非戦闘地域かとの問いに、当時の久間防衛大臣は、陸上と空中の戦闘状態は時には違うことがあるが、自衛隊の活動範囲については戦闘状態かどうかの確認をしてから飛んでいると答弁しています。つまり、航空自衛隊の飛行経路が何らかの戦闘状態にある可能性が高いと判断しているから確認作業をしているわけです。
 石破大臣、やはり私は、航空自衛隊の飛行空域が非戦闘地域であるとは思えないのです。大臣は、航空自衛隊が活動している空域が絶対戦争に巻き込まれない安全な地域であると断言できますでしょうか。

○国務大臣(石破茂君) 済みません、ちょっと答弁の論理の組立てがございますのでお尋ねさせていただきたいのですが、委員のお持ちの戦闘地域というのはどういう概念でおっしゃっておられますでしょうか。ちょっと今後の答弁の参考のためにお教えいただきたいと存じます。

○委員長(北澤俊美君) 防衛大臣に申し上げます。
 質問にお答えになった上で改めて質疑者に質問してください。

○国務大臣(石破茂君) それでは、ちょっと理解できないまま答弁して失礼かもしれませんが、委員長の御指摘ですのでお許しをいただきまして答弁をさせていただきます。
 戦闘地域というのがどこかということを設定するのがこの法律の要請ではございません。非戦闘地域において活動を行うということがこの法律の要請するところでございます。それは、日本国憲法第九条第一項の趣旨をいかにして体現をするかということでございます。
 この法律におきましては、もちろん武力による威嚇、武力の行使であってはならないということは当然担保をしてございますが、更にそれに加えまして、日本国憲法第九条第一項の「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」。この「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」ということをどのようにしてきちんと担保をするかということを考えまして、そのような概念を設けているものでございます。
 国際紛争とは何かと言えば、領土等をめぐる国又は国に準ずる組織間において行われる武力を用いた争いというのが、これが法的な定義でございます。そういうことが行われている地域において我々は活動しないのだ、すなわち非戦闘地域でなければならないというのは、その自衛隊が活動する地域において国又は国に準ずる組織の間において武力による争いが行われていない、そのことが担保されることが必要なのでございます。
 そこにおいて危険か危険でないかという事実のファクターが必須要件として入っているわけではございません。これは、前この法案の審議のときにも私答弁を申し上げたことですが、危険である、しかしながら、そこにおいて国又は国に準ずる組織の間において武力による争いが行われていない、又は活動する期間において行われることが認められない、そういう地域でなければそれは活動してはならないという九条一項を担保する趣旨で設けたものでございます。
 したがって、危険だから軍用機あるいは自衛隊機による輸送をやっておるのかと問われれば、それはそういうことはあるというふうにお答えを申し上げます。安全であれば民航機がやればよい、安全であれば民間のほかの輸送手段に、そのとおりです。非戦闘地域ではある、その地域において国際紛争が行われていない、しかしながら危険が存在する、したがって、その危険が存在する地域において、イラクの自立的な復興を支援するということを達成するためには、その危険を回避するそういう軍用機、私どもの場合には自衛隊、それによる輸送が行われている、そういう意味でございます。
 私は、危険ではないということを申し上げたことは、この法案を審議する過程から一度も申し上げたことはございません。

○牧山ひろえ君
 では、安全ではないということがよく分かりました。
 次の質問に移りたいと思います。
 次に、外務大臣にアメリカに関する質問をしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 いわゆる大量破壊兵器の保有の確証がないままにイラク戦争は開始されました。この点についての日本政府のコメントは各委員会で累次にわたり表明されておりますので、質問を控えたいと思います。ここでは、来年十一月に予定されているアメリカの大統領選挙について議論を交わしたいと思います。
 私は、来年のアメリカ大統領選挙について、現在のところ民主党が優勢であり、かつ民主党候補としてはヒラリー・クリントン氏の支持率が大きくリードしていると思います。したがって、ヒラリー氏が有力な次期アメリカ大統領候補者だと思います。今アメリカの世論を二分しているイラクへの派兵問題について、ヒラリー・クリントン氏はイラクからの撤退を政策として明確に主張しています。更に申し上げるならば、二十四日に投開票されたオーストラリアの総選挙で、イラクからの戦闘部隊撤収を公約にしていた野党労働党が十一年八か月ぶりの政権交代を果たしました。今後、オーストラリア軍がイラクからの撤退を始めるのは確実です。正にこれが最新の国際的な世論ではないでしょうか。
 自衛隊がイラクで活動している根拠は人道復興支援であり、しかも非戦闘地域であるからとの政府見解があるわけで、自衛隊のイラクにおける活動は米軍のイラク戦争とは直接は関係ないはずです。もし彼女がアメリカの大統領になって米軍がイラクから撤退しても、自衛隊はイラクでの活動を継続するのでしょうか、それとも別の理由でもこじつけて撤退させるというようなことになるのでしょうか。高村大臣、御答弁ください。

○国務大臣(高村正彦君) 誠に申し訳ないんですけれども、日本国政府の人間の立場としてアメリカの大統領選挙でだれが有利だとかだれが勝ちそうだとか、そういうことはちょっと申し上げにくいと、こういうことは御理解をいただきたいと思います。
 その上で、アメリカの、例えば今のブッシュ大統領にしても、未来永劫イラクに軍を駐留させると、こう言っているわけではないわけでありまして、治安が良くなればそれに従って段階的撤退を考えているようにも私は思っておりますし、それから逆に、民主党の候補者と言われる方たち、それぞれ、かつては即時撤退というようなことも言っていた方も含めて即時撤退というようなことは言っていなくて、状況に応じて段階的撤退のような話になってきて、それぞれ相対的な違いはありますけれども、必ずしも民主党の候補者が即時撤退と言って、あるいはブッシュ大統領はずっと駐留させるんだと、そういう違いではないように考えております。やはり、国際社会がどう動くか見ながら、日本としてイラクの復興のために何をしたらいいか主体的に考えていくことだと、こう思っております。
 豪州につきましては、イラク派遣部隊を段階的に今後撤退させることを政策として掲げる労働党が先般の連邦議会総選挙で勝利したことは御指摘のとおりでありますけれども、労働党は、同盟国である米英との協議の上、現在イラクに派遣中の千五百名以上の部隊のうち、〇八年中にイラク南部から五百五十名の監視・戦闘部隊は撤収させるが、その他の部隊については引き続き維持し、これら部隊のあり得べき撤退の時期については検討を続ける予定である旨明らかにしていると、こういうふうに承知をしております。したがって、豪州が今次総選挙を踏まえて実際に今後派遣部隊をどのようにしていくかについては現段階で見通しを述べることは困難であると、こういうふうに思っております。
 我が国にしても、ずっといる、ずっと未来永劫いると言っているわけじゃなくて、現に陸上自衛隊は私は見事に役割を果たし、そして日本国政府として見事に撤収させた、日本国政府としてもそういうことを考えていると。そういうことで、今、国連からの要請もある中で直ちに航空自衛隊を撤収させると、そういうことは我が国政府としては考えていないと、こういうことでございます。

○牧山ひろえ君
 少なくともヒラリー・クリントン氏のホームページには、即、今撤退というふうに読み取れるような書き方で書いてあります。正に、仮定の話である以上、政府としてはコメントする立場にないということでしょうが、現実論として、来年十一月のアメリカ大統領選で勝利しただれかが第四十四代アメリカ合衆国大統領に就任するのです。新大統領がイラクから米軍を撤退させる場合、そのときになって慌てて日本の自衛隊もアメリカに追従して撤収するような見苦しいことは避けるべきだと思います。今、正に日本のイラク支援の主体性あるいは自律性が求められています。このイラクへの自衛隊派遣は正当な根拠もなく、相変わらずのアメリカ追従型の活動であると言わざるを得ません。
 このテーマに関してはここまでにしたいと思います。高村大臣、御出席ありがとうございます。
 次のテーマに移りたいと思います。
 今月十五日の守屋前防衛次官の証人喚問を受けて政府が十六日に設置した防衛省改革に関する有識者会議について、まずは官邸のホームページでどのように詳細を公開しているか調べてみました。まず驚いたのが、これほどまでに国民的な関心事になっているのに、官邸のホームページでこの有識者会議に関する記事が簡単には見付からないことです。本来であればトップページにバナーを設置して国民に対して情報を開示、公開するべきだと思います。また、この防衛省改革に関する有識者会議も、実際は防衛省自身による抜本的対策検討委員会が不十分であるとの判断から設置されたのでしょうから、防衛省は国民だけではなく身内からの信用も失っていると言えるのではないでしょうか。
 ところで、大臣は防衛省のホームページをごらんになったことがありますでしょうか。

○国務大臣(石破茂君) 質問ですか。

○牧山ひろえ君
 はい。

○国務大臣(石破茂君) それは随時もちろん見ております。

○牧山ひろえ君
 今日現在、防衛省のホームページのトップには、石破大臣とアメリカのゲーツ国防長官が握手をしてにっこりと笑っている写真が掲載されています。守屋前防衛次官の件を始め不正が相次ぐ役所として、空気が読めないとしか思えないのですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(石破茂君) それは委員の御判断で、そのようにお思いになるとすればそういうことでしょう。
 それは、どのような写真を掲載せよと、それは委員もやがて大臣をおやりになるとお分かりになると思いますが、そのホームページにどの写真を載せよと、そこまで大臣は事細かに指示をいたすことはいたしません。それを空気が読めないと御批判になるならば、それは甘んじてお受けをいたしましょう。

○牧山ひろえ君
 防衛省のトップページには、自衛隊は変わります、平和と安全を支えるためにと称したPDFファイルへのリンクと、国際テロの根絶と世界平和のために、テロ特措法に基づく日本の貢献のバナーがあります。一連の不祥事について反省するようなリンクもバナーもなく、都合が悪いことは掲載していないようです。
 参考までに、本日配付している資料をごらんください。
 これらのホームページは昨日キャプチャーしたものです。例えば民間の企業ならばどのような対応をしているか、参考になると思います。松下電器産業は、二十年以上も前に発売した石油暖房器の不具合について、おわびのチラシを日本じゅうの御家庭にポスティングし、加えて、テレビCMも続け、ホームページにおいては少なくともこの一年間トップページに情報を掲載して消費者へおわびを続けています。パロマ、赤福、いわゆる不祥事を起こした企業は、企業の顔でもあるホームページで全面的に謝罪、反省をしています。
 ところが、防衛省はいかがでしょうか。事務方のトップが主導した不祥事に対して、まるで反省の態度が示されていません。むしろ何もありませんでしたと言わんばかりの内容です。これを隠ぺい体質というのです。
 今日、国民が防衛省を知る手段として最も有効なメディアがホームページです。防衛省は、ホームページで都合の良い項目ばかりを掲載して、今国民が最も知りたい防衛省の反省について公表していないではありませんか。「ときわ」からペコス経由キティーホークへの補給量が八十万ガロンであったのに二十万ガロンだったと時の福田官房長官が明言し、先ごろ訂正発言をしましたが、その資料すら公表されていません。そうした重要な資料は、私たち国会議員だけではなく、広く国民にも知らせるべきです。国民には知る権利があります。
 石破大臣、御提案があります。少なくとも防衛省のトップページに、「ときわ」による一連の問題の謝罪とともに、問題の給油量が掲載されている部分を含む航泊日誌を公開する、業者から不適切な接待を受けた件についての謝罪文を掲載する。国民が求めているものは防衛省の真摯な姿勢であると思いますが、ホームページでの編集を抜本的に改め、これらを実行していただくことをお約束いただけますでしょうか。

○国務大臣(石破茂君) それは、ホームページは防衛省だけではございません。衆議院の安全保障委員会もイラク特別委員会も、そしてこの参議院の外交防衛委員会も、それぞれホームページをお持ちです。そしてまた、そこにおいて私どもが答弁をいたしましたこと、そしてまた、そこにおきまして提出をいたしました資料、それはみんな国民の皆様方が容易にアクセスができるものでございます。私どもとしては、何をきちんと公開すべきか、そしてまた、ホームページをごらんになればお分かりかと思いますが、私あるいはほかの者の記者会見につきましても常にアクセスができるようにいたしております。議事録もすべて、これは委員会における議事録というのは国民の皆様方にごらんいただけるようにしてあるものでございます。
 委員の御指摘でございますので、私ども、広報の在り方というものについて常に検討していかねばならないというふうに考えておりますが、例えて申し上げますと、今回の水増し請求というものについて、私は先般のテレビ番組で、これは水増しなどというものではないと、これは詐欺事件としてとらえるべきものではないかということを申し上げました。こういうことの再発を防ぐためにどういうようなやり方ができるのか、また、防衛省が信用されておらないという委員の御指摘ですが、文民統制の在り方というものについてどれだけきちんとした議論を行うか。それは通り一遍のおわびだけで済むと、そういうような問題ではございません。国民の皆様方の問題意識にきちんとこたえるようなホームページは作ってまいりますが、私どもとして場当たり的な対応をすべきだとは考えておりません。本当に我々として、どのような認識を持ち、どのようなことについて反省をし、そしてどのようなことを主権者たる国民の皆様方にお考えをいただきたいか、そのことをホームページ上を使って発信をしてまいりたいと考えます。

○牧山ひろえ君
 山田洋行の不祥事について、山田洋行を取引停止したと、防衛省がまるで第三者か被害者のように思われているかのようですが、本当の被害者は無駄な血税を使われた国民なんだと思います。国民の目から見たら、防衛省はどちらかというと加害者です。その自覚が見られません。
 次の質問に行きたいと思います。
 それでは、イラク特別措置法廃止法案について、法案提出者にお願いします。
 これまでの議論のとおり、そもそも自衛隊がイラクで活動すること自体、私は疑問を持っています。加えて言うならば、イラク戦争の根拠となる大量破壊兵器の発見もできず、正に戦争の正当な理由がないのです。同時多発テロに対する憤りを察することは容易にできますが、そもそも論として、なぜ自衛隊がイラクで活動しなければいけないのか、理解に苦しみます。
 このイラク特別措置法廃止法案の法案提出者としてこの事実をどのようにお考えですか、お答えください。

○浅尾慶一郎君 牧山委員にお答え申し上げます。
 この法案の提出者としての認識いかんということでありますが、まずそもそも、イラクに対する武力行使は、国連の安保理での問題解決を放棄し、明確な武力行使容認決議もないまま一方的に行われたものであり、国連軽視であるばかりでなく、国連憲章など国際法の原則に違反する行動であるというふうに私どもは認識をいたしております。政府は湾岸戦争時の国連安保理決議及び武力攻撃を容認していない国連安保理決議一四四一を根拠にこれを支持しており、民主党はこれを一貫して批判してきたところであることは委員御承知のとおりであります。
 戦争の大義とされましたイラクの大量破壊兵器、イラクにあると言われていた大量破壊兵器は結局発見されず、イラクに対する武力行使が正当性を有しないものであったことは明確であります。また、そうした中で、米国に追従し、不正確な情報に基づきこれを支持した政府の責任は重いというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
 そうした中で、本法律案は、イラクに対する国際連合加盟国による武力の行使が正当性を有していないこと、いわゆる非戦闘地域、先ほどの質疑の中でもありましたが、その概念が虚構の概念であること等の理由によって、イラク特措法の法的な枠組みが完全に破綻しているということ、さらにはイラクにおける自衛隊の部隊等による対応措置に関する政府の情報開示が極めて不十分であるということにかんがみ、自衛隊の部隊等による対応措置を直ちに終了させる等のため、イラク特措法を廃止するものということであります。
 具体的には、イラク特措法を廃止するとともに、現在行われている対応措置の終了に関して必要な範囲内でイラク特措法の規定が効力を有するような経過措置は設けてあるところでありますが、いずれにいたしましても、こうしたことを通して、本当の意味でイラクに必要な人道復興支援等々は別にして、そもそも、イラク戦争の入口から立ち上って考えていきたいというのが提案の本旨でございます。

○牧山ひろえ君
 繰り返しになりますが、イラクに大量破壊兵器はなく、イラク戦争の大義は完全に失われています。しかし、イラク戦争を支持した日本政府は、当時のアメリカの情報によって支持したのであって、間違ってはいなかったとまだ言っています。
 法案提出者としてはこの点をどのようにお考えですか、お答えください。

○浅尾慶一郎君 正に今委員御指摘のとおりですね。イラクに大量兵器はなかったのは事実でございます。
 そのことについて、いろいろな諸外国はそのなかったということを認めているわけでありますけれども、我が国においてはそうした対応は取られていないということでありますが、そうした中で、イラクに対する武力行使は、先ほども申し上げましたように、国連安保理での問題解決を放棄したものであるということ、あるいは累次の引用されている安保理決議が明確に今回のものに対応する武力行使を根拠にしていないということは先ほども申し上げたとおりでありますが、併せて申し添えさせていただきたいということであります。
 ですから、これは不正確な情報に基づいてこれを支持した政府の責任は重いというふうに考えております。

○牧山ひろえ君
 法案提出者に伺います。
 自衛隊が行っている物資の輸送活動は武力行使と一体化した憲法違反の可能性があります。この点は戦闘地域と非戦闘地域の議論にまで発展する大きな問題ですが、いかがお考えでしょうか。

○浅尾慶一郎君 イラク特措法は、たとえ同法が想定する非戦闘地域が一時的に存在したとしても、相手側の意思により一瞬にして戦闘地域に変わり得るなど、同法に基づく自衛隊派遣の法的枠組みは、フィクションであるばかりでなく、海外における武力行使を禁じる憲法に抵触するおそれがあるものというふうに認識しております。
 また、戦争の大義は、国連安保理決議を正当性の根拠として制定しておりますけれども、先ほど申し上げましたように、その安保理決議そのものが正当性を欠くものということであります。一四四一は明確に武力行使を認めているものではないというふうに私どもは考えております。
 また、イラクの復興支援については、政府も昨年八月の基本計画の変更に際し、少なくともムサンナ県について応急復旧的な支援措置が必要とされる段階は基本的に終了し、イラク人自身による自立的な復興の段階に移行したものと考えられるとし、自衛隊によるイラク復興支援の中心であった陸上自衛隊による活動は終了したところでございます。現在行われている航空自衛隊による輸送業務に限られておるわけであります、現在行われている活動はですね。航空自衛隊による輸送業務に限られておりまして、イラクの復興支援というよりは、米国向けの派遣実績を示すための活動と考えざるを得ないところだと思います。

○牧山ひろえ君
 時間となりましたので、これで終わります。  ありがとうございました。