参議院議員牧山ひろえ君提出アフリカ支援に関しての認識及びTICADWへの取組に関する質問に対する答弁書
答弁書第五六号

内閣参質一六九第五六号
  平成二十年三月七日
内閣総理大臣 福 田 康 夫   


       参議院議長 江 田 五 月 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出アフリカ支援に関しての認識及びTICADWへの取組に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出アフリカ支援に関しての認識及びTICADWへの取組に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、第四回アフリカ開発会議(以下「TICADW」という。)に向け、成長の加速化、ミレニアム開発目標の達成及び平和の定着を含む人間の安全保障の確立、並びに環境・気候変動問題への対処を重点事項として来年度のアフリカ支援を行っていく方針である。

二について

 「国際協力に関する有識者会議」中間報告の提言及び参議院政府開発援助等に関する特別委員会の提言については、我が国が国際協力を推進する上で極めて重要な内容が盛り込まれていると認識している。

三から五までについて

 平成二十年二月末日時点で、四十か国程度から首脳の参加について前向きな反応が示されている。具体的な国名及び今後の働きかけの方針については、相手国との関係から明らかにすることを差し控えたい。

六について

 TICADWでは、近年、平和の定着や民主化の進展、経済の成長で明るい兆しの見られるアフリカ諸国を後押しし、アフリカにおける持続可能な開発を確かなものとするため、「元気なアフリカを目指して」というメッセージの下、我が国を含む国際社会の知恵と資金を結集したいと考えている。また、同会議においてアフリカ諸国のニーズや希望をくみ取り、その成果を本年開催される北海道洞爺湖サミットでの議論に反映させていきたいと考えている。

七について

 平成十七年四月のアジア・アフリカ首脳会議において小泉内閣総理大臣(当時)は、今後三年間でアフリカ向け政府開発援助(以下「ODA」という。)を倍増し、引き続きその中心を贈与とする考えである旨表明している。平成十九年は本件公約達成が求められる年であるが、その実績は現在集計中である。

八について

 お尋ねについては、現在検討中である。

九について

 資源に乏しい我が国にとり、資源・エネルギーの確保は重要な外交課題の一つである。我が国としては、我が国の安全と繁栄の確保に寄与する観点から、資源・エネルギーの確保についてもODAを活用していく考えである。開発途上国への支援に当たっては、他の援助国・機関とも協調しつつ、援助の効果を上げていくことが重要であり、我が国としては、かかる観点を踏まえつつ、開発途上国の安定と発展に資する援助を効果的に実施していきたいと考えている。

十について

 第百六十九回国会における福田内閣総理大臣施政方針演説において、「平和で安定した国際社会は、日本にとってかけがえのない財産であり、日本ができるだけの協力を行う必要があります。(中略)世界の平和と発展に貢献する「平和協力国家」として、国際社会において責任ある役割を果たします。地域や世界の共通利益のために汗をかく、魅力に満ち、志のある国を目指したいと思います。」としているところであり、政府としては、このような「平和協力国家」として、アフリカにおける平和構築に積極的に貢献していくことが重要であると認識している。TICADWにおいても、平和の定着と民主化を重点事項の一つとして、現在のアフリカの地域情勢も踏まえ議論する方針である。