外交防衛委員会の質問内容です。

参議院議員 牧山ひろえ 外交防衛委員会質問 2008.3.27
参議院議員 牧山ひろえ 外交防衛委員会質問
○委員長(北澤俊美君)  質疑のある方は順次御発言を願います。

○牧山ひろえ君
牧山ひろえです。
 本日は三十数分間の質問時間をいただいておりますが、この三十数分間で実に七百四十人ぐらいのアフリカの子供たちが亡くなっていくのです。三秒に一人のペースで幼い子供たちがアフリカで亡くなっております。つまり、アフリカ支援は緊急を要する重要課題であり、同じ地域に生きる人間として待ったなしの問題であることを質問に先立ち申し上げたいと思います。では、どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は、五月二十八日から三十日まで横浜市で開催される第四回アフリカ開発会議、TICADWについて外務大臣に伺いたいと思います。
 このところ、新聞紙面でもTICADW関連の記事が目立ち始め、いよいよこのTICADWの開催日が近づきつつあるのだと実感しております。先週二十日には、ガボンの首都リーブルビルでアフリカ開発会議の準備会合が開催されました。大臣はこの会議に議長として出席するために五十時間近く掛けて会場に向かったと聞いておりますが、お疲れさまでございます。
 まず、では早速ですが、準備会合ではTICADWで採択される予定の横浜宣言の案が披露されたと聞いておりますが、残念ながらこの資料は私ども野党にはまだ配付されていないようです。横浜宣言の内容は各方面から、あちこちから伝わっているところですが、大臣、この横浜宣言にはどのような項目が列挙されているのですか、教えてください。

○国務大臣(高村正彦君) 横浜宣言自体は首脳が出すんですね、TICADWで。それを、首脳に対してこういうものを出したらどうですかというものを準備会合で一応のものを決めてこれ出しているんで、ということを御理解をいただきたいと思います。
 主要項目、大体申し上げますと、成長の加速化、それからミレニアム開発目標の達成、これは人間の安全保障の経済社会的側面でございますが、あるいは平和の定着とグッドガバナンス、これも人間の安全保障の政治的側面とも言えると思います。それから、環境・気候変動の対処。アフリカ自身もCO2の排出等に考えていただかなきゃいけませんけれども、それ以上にアフリカ自体がそういうことに対して脆弱で被害を負う、その脆弱性をなくそうというようなことも含めております。あるいはパートナーシップの拡大、それから今後の道筋。ごく大まかに言うとそういうようなことをもう少し細かく決めて、それを、まだ完全に詰まっているわけじゃなくて、一応大筋の了承が得られて、これを事務局で更に点検した上で、そのTICADWの会議において首脳に示して、そしてまた会議を、首脳の間でそれでいいかどうか、あるいは付け加えるところがあるのかないのか、そういうようなことで、最終的には横浜宣言は首脳の間で決まる、そういう性質のものでございます。

 

○牧山ひろえ君
この横浜宣言については、今大臣が答弁されたとおり、インフラ整備を通じた経済成長の加速化、平和と開発の両立による人間の安全の保障などの重要項目があると認識しておりますが、やはりMDGs、ミレニアム開発目標の達成が最大の関心事であると思います。
 MDGsは、二〇〇〇年九月、ニューヨークで開催された国連ミレニアムサミットで採択されたもので、二〇一五年までの十五年間であらゆる数値目標を掲げて平和と安全、開発と貧困、環境、人権とグッドガバナンス、良い統治などの諸課題を解決していくものであると認識しております。今年はこの十五年間の開発目標の中間点でもあると言えますので、そろそろ具体的な成果を示さなければならない時期であると思っております。
 資料の一をまず御覧ください。これは、このMDGsの中間報告とも言える目標項目ごとの進捗度合いを示した一覧表でございます。緑は達成できそう、黄色は達成に向けた努力が必要、赤は達成が困難であるということを示しています。
 御覧のように、アフリカの状況は大変厳しく、二〇〇〇年よりむしろ悪化していることが分かります。保健分野での状況が特に厳しく、目標の達成自体が困難であるとも読み取れます。まさにMDGsは、十五年間の活動の折り返し地点においてなお一層の努力が必要であると言えます。
 この現状を踏まえて、大臣、実際に現地ガボンで議長をされたとのことですが、この横浜宣言を参加各国の担当者に披露してどのような反応が得られたでしょうか、雑感も含めて御報告いただければと思います。

○国務大臣(高村正彦君) TICADWに期待するものは非常に大きかったと思います。そういう中で、様々な要求といいますか、こういうことをしてほしいといろいろ出ましたけれども、それはいわゆるミレニアム開発目標についてもありますし、開発についてもありますし、必ずしもそのミレニアム開発目標についての要望が各国の代表から多かったということではなかったと思います。ただ、ミレニアム開発目標は、これはこういう目標を立てたんですから、立てた以上はそれは実現しなきゃいけないわけで、そういうことはこのTICADWの中でも大きな課題としてきちっと対応していきたいと思います。  それで、このミレニアム開発目標を達成することとこの成長の加速化ということはこれは無縁ではないんですね。お互いが助け合うことにもなるんだと、こう思っています。全くそれぞれがばらばらの目標だとは私は思っていません。成長することがミレニアム開発目標の達成にも資するし、それからミレニアム開発目標を達成していくことがそれは成長の基盤にもなることだと、そういうふうに思っております。
 委員が求めたこととちょっとそごがあるかもしれませんが、そういうような感じを私は持っていると、こういうことでございます。

○牧山ひろえ君
ありがとうございます。まさに、折り返し地点の今こそ、MDGsの目標を達成するための更なる努力が必要なものであると思います。
 実は私はODA委員も務めておりまして、昨年の十二月にベトナムを訪問する機会がございました。ベトナム訪問の目的は、日本のODAで建設されていたカントー橋が建設途中に崩落してしまった現場を視察するためでした。御案内のとおり、このカントー橋は日本の大手建設会社らが中心となり建設途中ではありましたが、崩落事故により非常に残念ながら現地の方々五十数名がお亡くなりになりました。実際に現地に赴いてみると、やはり橋の建設には細心の注意が必要であったのだと痛感させられました。
 私は元々、苦しんでいる方、あしたまで生きていられるかどうか分からないという方を助けたい、そんな思いでボランティア団体を結成して長年にわたって活動してまいりました。その活動をもっと大きな形で実現させたい、もっとたくさんの人を救いたいとの思いがあり国政にチャレンジした経緯がございます。ですから、今回のアフリカ支援の在り方についても、できるだけ現地のニーズに的確に対応できる良い支援となるよう意見を発していきたいと考えております。
 ところで、大臣、TICADWへの首脳級の参加を表明しているアフリカ諸国は、二月二十日の時点では四十三か国と聞いております。具体的な国名についてはあらゆる配慮があるでしょうが、差し支えない範囲で結構ですので、本日まで参加国数に上積みはあったのでしょうか。今後の進展も含めて、御担当の方、御答弁ください。

○副大臣(木村仁君) TICADWに招待しているアフリカの諸国は五十二か国でありますが、ほぼすべてが参加するものと考えております。
 なお、そのうちに首脳級が参加される国につきましては、現在のところ四十四か国と考えておりますけれども、その具体的な国名等につきましては、まだ流動的な部分があり、当事国との関係がありますので、発表は差し控えさせていただきたいと思います。

○牧山ひろえ君
ありがとうございます。せっかくですから、多くのアフリカ諸国の首脳に来ていただいて、活発な議論が展開できればと思います。
 大臣、可能であれば、私自身もTICADWに参加して、かねてから実現したいと思っていた大きな形での人道支援活動に携わりたいと考えていますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(高村正彦君) TICADプロセスというのは極めて開かれたプロセスで、日本一国とアフリカ諸国と、こういう形になっておりません。例えば国連、あるいは世界銀行、あるいはNPO、市民社会、どういう形かは別に、どうぞ委員にも参加していただきたいと思います。市民社会にも参加していただくというのがこのTICADWの本来の趣旨でありますから、どうぞ参加していただきたいと。どういう形かはちょっと相談させていただきたいと思います。

○牧山ひろえ君
TICADWに限らず、こうしたイベントは行政が主役となって開催される傾向にありますので、やはり大臣がおっしゃるとおり、市民レベルの参加ができるイベントとしてTICADWを盛り上げていければと思います。
 また、同様に議員外交についても、この際活発な取組をしてみてはいかがかと思います。私が所属しているODA特別委員会が適所だと思いますので、是非アフリカの首脳を御招待して意見交換会を開催できればと思っているのですが、この点、いかがでしょうか。実現可能性も含めて御答弁いただければと思います。

○国務大臣(高村正彦君) それこそ行政がそれがいいとか悪いとか言う話ではないかと思いますが、やっていただくのは大変結構なことだと思います。ただ、スケジュールが物すごく各首脳込んでいるということはありますが、具体的にされるということであれば、国会の側でされるということであれば、それに対応できるのかどうか、時間的に対応できるのかどうか、そういったことについても我々がお手伝いすること、やぶさかではございません。

○牧山ひろえ君
 さて、やや頭の痛い問題もあることも事実です。
 資料二を御覧ください。我が国のODA予算の現状を示した図表です。政府ODA予算は平成二十年度の案で七千二億円と、過去十一年間で四割も減っています。また、特筆すべきは、資料の左下に示すほかの主要経費との比較です。御覧のとおり、一般歳出は平成九年を一〇〇として常に一〇〇を超えるレベルになっていて、同じく防衛関係費もほぼ変わらず費やされています。ODA予算に関しても、平成九年をピークに今年度予算案では六〇%にまで落ち込んでいます。また、防衛関係費のように旧態依然として費やされているケースもあり、この際再考する良い機会ではないかと感じます。
 高村大臣、石破大臣の手前やや言いづらいかとは思いますが、血税を支払う納税者の立場に立って、今こうしている間にもアフリカの子供たちの命が失われている現状も踏まえて、何か御意見はございますでしょうか。

○国務大臣(高村正彦君) よろしく応援をお願いいたします。  確かに、財政が厳しいと、どうしてもタックスペイヤー、委員がおっしゃるようなタックスペイヤーだけなら大変うれしいんです。アフリカで人が亡くなっている、そういうことは大変だと感じてくれるタックスペイヤーばかりだったら大変うれしいんですけれども、我々だって苦しいんですよ、何で外国を支援するんですかというようなタックスペイヤーもいるというのも現実なんですね。
 そういう中で、私たちはやはり世界の中の日本として、責任国家として、本当にそこに貧困や紛争があって大変苦しんでいる子供たちがいる、子供でなくても大人でも同じですけれども、そういう人たちを助けるためにいろいろしなければいけないと、こういうことを言って頑張っているつもりですが、残念ながら、おっしゃるように十一年間で四〇%削減されたというのがこれ事実でありますから、そろそろ底打ちさせて、更に増やす必要があると思っています。是非応援をよろしくお願いをいたします。

○牧山ひろえ君
この予算については、大臣がおっしゃるとおり様々な御意見があるところですが、せっかくTICADWとサミットが開催される年でありますから、政府におかれましては、ODA予算の増額を契機に外交に注力することも良いのではないかと思います。
 例えば、防衛装備品の水増し請求事件など不祥事が続く防衛省に対して、せめて数%の予算を四兆八千億円の中から節約してアフリカなどへの人道支援やあるいは社会保障に充てるというのもアイデアではないかと思います。これこそ国民の理解を得やすい措置であり、これぐらいの方策を図らないと国民の理解は得られないのではないかと思います。
 また、さきのテロ新法でも再三議論された国際貢献ですが、支援の方向を油ではなくアフリカに向けたとしたら、期待以上の成果と国民の理解を得られたかもしれません。
 いずれにしても、厳しい財政状況の中予算編成がされるわけですが、何とかしてODA関係費を増額すれば日本の存在感を広く世界に伝えることができるのではないかと思います。
 こうした予算の柔軟な使い方について、通告はしておりませんが、石破大臣にもこの件に関して、防衛予算の節約と無駄遣いの徹底的な洗い出しは可能かどうか、お考えをお示しいただければと思います。

○国務大臣(石破茂君) 先ほど予算の説明を申し上げました。私どもも、昨年と比べまして二百十六億五千七百万減を立てております。例えば一括で調達をいたしますとか、今までそういうこともほとんどやったことがなかったわけですね。どうすれば効率的な予算が組めるかということについて省内でかんかんがくがく議論を行い、いろんな意見もある中で最大限の努力をしたつもりでございます。
 特に、今、旧態依然という御指摘をいただきました。そういうことにならないように、とにかくこれ、もうそろそろ耐用年数というか、それが切れたからまた次買おうというような形ではなくて、どのようなものが本当に必要なのか、どのようなものを何のためにどこにどれだけ置くかということについてぎりぎりの議論はしていかねばならないと思っております。
 防衛省として本当に必要な予算を出しまして、節減の努力をしました上で、そこで出てきたお金を国家全体の国益のためにどう使うかということは政府全体で議論されるべきものだというふうに私は思っております。
 委員御指摘のように、いろんなお金の使い道がある。テロ新法とかイラクとか、委員のお考えと私の考え、違うところがあるのかもしれませんが、本当にどうすれば日本が世界における責任を果たすことができるのかという観点から、更に御意見を承り、私も議論をさしていただきたいと思っております。節減の努力というものは、本当にいろんな目から、いろいろな切り口から徹底的にやっていかねばならないものだという認識は私は委員と共有できるものだと考えております。

○牧山ひろえ君
ありがとうございます。是非、国民に分かりやすい形で無駄遣いの徹底的な根絶をよろしくお願いいたします。
 ではここで、支援の中身に議論を進めていきたいと思います。
 昨夜、外務省の担当者に対アフリカ向けの分野別の援助実績額を示していただきました。資料の三を御覧ください。資料作成の都合上ここ四年間の実績値にとどまっていますが、日本がアフリカに提供したものの区別ができます。やはりインフラに係る経費が多く、全体の半分以上を占める結果となっています。再三申し上げますが、食糧難で亡くなる方が多くいることが分かっているのに、なぜかインフラ整備への拠出額が医療と食糧に比べ極端に伸びているのです。
 やはり、アフリカといえば食糧難と感染症の克服こそが次なる成長へとつながる第一歩であると思うのです。御存じのとおり、アフリカでは年間一千万人の子供が貧困や感染症で死亡しているのです。先ほども申し上げたとおり、三秒で一人の子供がこの世に生まれながらも亡くなっているのです。子供だけでも三秒に一人です。その光景たるや、想像を絶するものです。
 こうした子供たちが食糧難と感染症を克服して成長していけば、やがて国を支える力となり、結果として成長の糧となるはずです。つまり、衣食住、どのレベルでそれぞれの国を支援していくべきなのか、更なる議論が必要であると思うのです。
 生命の危機にさらされている人々が多くいるアフリカにおいて、やはり支援の配分を食糧や医療などに重点的に持っていくことが必要なのではないかと考えますが、大臣はいかがお考えですか、御所見をお聞かせください。

○国務大臣(高村正彦君) おっしゃるように、サハラ以南でいいますと、生まれてから五歳の誕生日を迎えられない子供が千人に百六十六人いると、こういうふうなことを聞いております。こういうところに、そこに貧困がある、そこに感染症がある、そういうことに責任国家として、あるいは人道国家としてきっちり手当てをしていきたいと、こう思っております。
 ただ、インフラも必要なんでして、三十年前、四十年前、日本がアジアを支援したときに、やはりインフラ支援なんて役に立たないじゃないか、何でそんな貧富の差を広げるようなことをやるって一部に非難されましたけれども、今やそのアジアが、経済がテークオフ、離陸して、そして立派な経済を自助努力によってつくって、そしてそういう国が今や援助する側に回っているんですね。そういうこともあるんで、一概にインフラが駄目なんだ、NPOによっては、成長なんということがいけないんだ、そんなことはどうでもいいからともかく食糧を渡せと、こう言う人もいます。
 目の前に大変な人がいるから食糧を渡すこともこれは大切。委員がおっしゃるように、食糧、医療、大変大切ですけれども、ともかく食糧、医療を渡してそこに成長がないということであれば、五十年後、百年後も援助をし続ける、そちらのアフリカからいえば援助を受け続ける、そういう国であっていいのか。やはり、アジアで成功したみたいに、そのアジアの国々が今や援助をする側に回ってくれている、そういうような援助も同時に必要なんだと。私はこの数字を見て、バランスがどうだとかというのを直ちに分かりませんけれども、両方必要なんだと、こういうふうに考えております。

○牧山ひろえ君
では、一概にインフラが駄目でないということでありましたら、アフリカのインフラの内容をなるべく分かりやすく、詳しく納税者に納得がいく形でお示しいただければと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(小田克起君) 今、手元にちょっと資料がございませんので、改めて整理をして先生の方にお届けしたいと思います。

○牧山ひろえ君
では、次に、よろしくお願いいたします。
 例えば、紛争が続くパレスチナ自治区全域で、日本の母子健康手帳をお手本にしたアラビア語の手帳が妊婦に配られている事例がございます。JICAなどが協力してパレスチナの保健庁が二年半前から準備してきたプロジェクトで、かかりつけ医以外の病院で緊急に出産せざるを得なくなった場合でも、手帳があれば安心であり、現地では命のパスポートと期待されているそうです。
 手帳には、血液、尿検査など、妊婦健診の結果に加え、子供の成長の記録が五歳になるまで記載できるとのことで、イラストを多用し、夫婦で話し合って育児の準備ができるよう工夫してあるとのことです。
 日本政府の資金援助で十二万冊の母子手帳が準備されているとのことで、これこそまさに真の国際貢献であり、日本が経験があり、得意とする分野であると思うのです。
 資料三に戻りますけれども、対アフリカの分野別実績値では医療に対しての比率が低いのではないかと思います。同様に、人間が生きていくための必要最低限の支援として食糧が必要であり、この点に関しても一覧表では低い比率となっています。
 私は、日本が得意とするこうした分野での支援を重点的に行うべきであると考えますが、例えばアフリカ各国でこの母子健康手帳を広めることもよいと思いますが、高村大臣はいかがお考えでしょうか。

○国務大臣(高村正彦君) 国際社会におきましては、アフリカにおける母子保健の改善の重要性というのは、これは広く指摘されているところでございます。五月に開催されるTICADWにおきましても、最も脆弱な立場にある女性と子供に焦点を当てた母子保健について議論を深めていく考えであります。
 特に、御指摘の母子手帳は、健康一般についての母親の知識を高めることによって妊産婦の死亡率、乳幼児死亡率を大幅に改善することができる優れた制度であるというふうに認識をしております。こうした観点から、我が国、これまでにパレスチナやインドネシアで母子手帳の普及に取り組んでいるところでございます。
 一方で、保健所の設置及びアクセス、保健医療従事者の育成といった保健システムの向上や母親の識字率の改善と相まってこそ効果が発揮されるということであり、アフリカにおいては、このような協力を進めるとともに、母子保健の理念や考え方が浸透するよう議論を深めていきたいと思います。
 私、数か月前にグローバル・ヘルス、保健についての政策演説をやったんですが、そこでも母子手帳のことを日本が広めるべき大きな柱として一つ掲げ、具体的に掲げてしたわけでありますが、今日、委員と同じ考えを持っていることを確認しまして大変有り難く思います。応援してください。

○牧山ひろえ君
ありがとうございます。
 アフリカ人は日本人に対して特別に良い印象を持っていると聞きます。また、欧米諸国がアフリカに行う支援は言わばチャリティー的な要素が高く、日本が行っている草の根的支援とは違うとの意見を聞くことがございます。恐らく、アフリカ諸国は日本に対して相当良い印象を持っているのです。
 ですから、日本がアフリカ諸国に行うことができる支援は様々ですが、やはり食糧援助、医療、保健分野での援助を柱に、ほかのどのカテゴリーよりもまず人が生きるための第一歩の支援を地道にしていくべきだと考えております。日本がODAで支援している国には食べ物には比較的困らない地域もあるでしょうけれども、しかしながら、多くのアフリカ諸国は、食べるのに困り、生きるのに困っている、命の危険にさらされている国なのです。であるのならば、支援の在り方をゼロベースで見直す覚悟も必要であると思います。
 こうしためり張りのある援助の在り方について、是非TICADWで議論をしていただいて、援助されるアフリカ諸国が真に望む支援策を導き出せることを期待しておりますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(高村正彦君) 先ほどODA予算減っているという御指摘がありましたが、こんな減っているままにしておくつもりはありませんけれども、いずれにしても、底打ちし、増えるにしても限られた予算でするわけでありますから、委員がおっしゃるように、めり張りを付けて支援をしていくということは必要だと思っております。
 そのめり張りを、TICADWの中でどういうめり張りを付けるかということと、それから、国内の二国間のODA政策の中でどういうめり張りを付けるかというのは、また両方あるんだろうと思うんですね。TICADWの中でめり張り付けてこの国はいい、この国は悪いというのは、全アフリカ国家から成っている中でなかなか難しい話だとは思いますが、そういう中でも、分野別についてはそれぞれアフリカの希望もよく聞いて、そして、そういう中で、我々は第一に人道的ということを考えておりますけれども、日本人の税金でやる以上は国益ということも考えざるを得ない、そういうすべてのことを絡ませてめり張りを付けた使い方をしていきたいと、こういうふうに思っております。

○牧山ひろえ君
さて、今回のTICADWは横浜市で開催されますが、外務省は横浜市との緊密な連絡体制をしいていて、TICADWの成功に向けてどのような取組をしているのでしょうか。御担当の方で構いませんので、現在の取組とTICADW開催に向けた問題点をお示しください。

○副大臣(木村仁君) TICADWの開催地である横浜市とは開催準備に当たって緊密に連携協力をして進めております。特に、広報面で横浜市には大変積極的に貢献していただいているところであります。例えば、一つの学校に一つの国を割り当てて研究させ、それを会場にいろんな形でイラスト等を掲示する等の努力を進めておられるようでありまして、それに従ってこれを事前に公表するというようなことをされております。
 TICADWの成功に向け、またアフリカを含む世界各国からの参加者を温かくお迎えできるよう、引き続き外務省と横浜市が一体となってしっかりと準備を進めていく考えでございます。

○牧山ひろえ君
まだまだ国民に知られていない状況であると感じておりますので、是非よろしくお願いいたします。
 質問を終わりたいと思います。