決算委員会の質問内容です。

参議院議員 牧山ひろえ 外交防衛委員会 2008.10.28
外交防衛委員会 参議院議員 牧山ひろえ
○委員長(北澤俊美君) 引き続き、関連質疑を許します。牧山ひろえ君。

○牧山ひろえ君民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。

 まず、冒頭に一言申し上げたいと思います。

 一部報道では、この新テロ特措法改正案について、民主党がさも賛成しているかのような内容が伝えられていますが、それは全くの誤認でございます。私たちは、この改正案に対しては明確にノー、このスタンスをぶれずに貫いてまいります。
 事実、今年の一月、新テロ特措法改正案は参議院で否決されています。先週二十三日の外交防衛委員会では、我が党の犬塚議員の質問に対して官房長官と外務大臣があいまいな答弁を終始し、委員会審議が何とストップされてしまいました。選挙管理内閣だから真剣な議論が繰り広げられないのかと正直思いました。
 この国の国際貢献については、国民は徹底的な議論を望んでいる、そう思います。総理におかれましては、一刻も早く国民の信を問い、その国民によって選ばれた議員による徹底した議論をするべきであると冒頭に申し上げます。

 では、早速ですがパネル一を御覧ください。(資料提示)これは、労働力調査から抜粋したデータでございます。今や働く人の実に三人に一人が非正規雇用者です。額に汗しながら一生懸命に働いてもなかなか思うような賃金を得られず、生活に困っている方もたくさん見受けられます。
 非正規雇用者の割合は、このパネルを御覧のとおり、平成十五年には三〇・四%、そして最近、昨年では三三・五%となりました。年々非正規雇用者は増えています。まさに、不安定な仕事を余儀なくされている方が増えているという事実でございます。
 さて、ストップ・ザ・格差社会という言葉を総理も耳にしたことがありますでしょうか。この言葉こそが現在の日本に求められていることだと確信しますが、総理、今日は金融問題を論じる時間がございませんので、この雇用の格差問題について限定して、私と問題意識を共有しているかどうかお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今言われた御質問の内容は、この非正規雇用のパーセントが伸びているという事態に関する私なりの考え方を聞いておられるというふうに理解してよろしいんですか。
 これ十分に理解をしておりますし、これは非常に大きな問題だと思っております。いろいろその対策もこれ考えねばならぬというところで、今ロストジェネレーションと言われるところが特に問題かなという意識が私自身には強くあります。

○牧山ひろえ君

 そもそもこの格差社会というのをつくったきっかけというのは、今の自公の責任ではないでしょうか。強い者はどんどん強くなり、そして弱い者はどんどん弱くなるという、そういう社会をつくってしまったことを真剣に考えていただきたいと思います。
 そろそろ昼食の時間ですので、テレビを御覧になっている方も、今日はお昼を何を食べようかなと考えていると思います。
 私自身、二人の子供を持つ母親ですので、食の安全の問題ですとか食の価格の問題ですとか、食にまつわることは常に意識しております。
 さて、お昼の代名詞といえば即席めんです。この即席めん、日本即席食品工業協会によりますと、袋とカップ両方合わせると、国民一人当たり年間四十二個消費するそうです。ですから、このテレビを御覧になっている方も、今日は即席めんを食べようかなと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
 では総理、突然の質問なんですが、この即席めん、今幾らぐらいで買えると思いますか。いわゆるカップラーメン、一つ幾らぐらいだと思うか、御存じでしょうか。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 最近買ったことがないんでよく知りませんけれども、昔最初に出たのが、最初に出たときは、日清が出したときに、たしかえらい安く出たなというのがあるんですが、あのとき何十円かで、今四百円ぐらいします。

外交防衛委員会 参議院議員 牧山ひろえ

○牧山ひろえ君

そんなにしないですよ。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) そんなにはしない。そんなにはしません。  私、そんな、最近それを自分で買ったことが余りありませんので、その値段を直ちに言われても、随分いろいろ種類が出てきているということは知っています。

○牧山ひろえ君

 定価は百七十円ぐらいです。今年に入ってから値上げをされましたけれども、昨年までは百五十五円、そしてその前には百四十円でした。今やカップラーメンは二百円を迫ろうとしているんです。本当に高い食べ物になろうとしているところでございます。
 収入は伸びずに食品が値上がりする。まさに今、国民生活は生活水準の維持確保が大前提となるほど圧迫しているんです。政府は、定額減税を改めて商品券のような何かばらまき政策をお考えのようですが、例えば輸入小麦の価格をコントロールできる立場の政府が国民生活のために小麦価格を下げるなど、国民生活に直結する経済対策にするべきであると思います。

外交防衛委員会 参議院議員 牧山ひろえ

 さて、では週末に開催されたASEMについてお伺いしたいと思います。端的に二点お伺いしたいと思います。総理にお伺いしたいと思います。
 韓国の李明博大統領との首脳会談で竹島問題が取り上げられなかったと報道されていましたが、これは本当でしょうか。総理の竹島問題についての認識と、この問題をどうやって解決していくかという御意見お聞かせいただきたいのが一点。そして、日中の食の安全の問題について具体的な成果を得ることができたかどうか。二点です。よろしくお願いいたします。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 韓国との間に、竹島の問題が日韓首脳会談のあれに出たことはありません。  日中の間で食の問題は出ました。そして、食の問題に関しては私の方から言って、向こうの方から真剣にこれはきちんと対応するという話があったというふうに記憶します。

○牧山ひろえ君

 総理が、竹島問題や東シナ海のガス田など、日本にとってとても重要な課題に正面から取り組むのかと私は期待しておりましたし、また、中国製のギョーザですとかインゲン、粉ミルクと続く食の安全問題でも大きな不安が国民の間で生じておりますから、もっと具体的な成果が見られると思っていました。単なる顔見せ外交でなかったことを期待して、次に進みます。
 パネル二をお願いいたします。給油活動の延長に関しては、国民世論は半々、まさに拮抗しております。国民は、なぜインド洋における給油を延長しなければいけないのか十分な説明を待っています。パネルの下からお分かりになりますとおり、国民世論は十分な時間を経て給油活動には反対との意思を示したのだと思います。
 当時、この世論調査に関しては、町村官房長官が、私ども謙虚に受け止める必要があると答弁し、石破防衛大臣も、世論調査で給油の継続に反対という結果を受けて、反対される方が賛成を上回ったということは事実として受け止めなければならないと述べました。しかし、国民世論に聞く耳を持つような答弁をされておきながら、実際には三分の二を使うという、結局は衆議院で再可決に至りました。これこそまさに国民世論を無視した、国民の声に対して聞く耳を持たない政治であると思います。
 私は、これらの世論調査こそが時の国民世論を表す大変重要なデータであると考えますが、総理はこの議論についていかがお考えでしょうか。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) まず最初に、この補給支援活動というものは、これはアメリカのためにしているわけでもありません。これは、テロとの戦いにおいて日本もその一環に参加をしておるという意識は私自身にはあります。日本もそれに参加すべきだと思っております。したがって、その段階において、そういう状況下において日本が、各国参加している国家が、みんなが期待しております補給支援活動から日本が撤収するというのは、私どもとしては取る選択ではありません。
 今、世論調査を示しておられますけれども、昨年からずっと出てきておりますけれども、何となく反対が減ってきておるという数字になっておるように見えますが、これはそちらの出された数字なので、私の持っている数字じゃありませんので。五四%の反対が四五まで下がってきたのかなと。最近では四四まで下がってきたとかいろんな、三まで下がってきたとかいろんな考え方がこれ出るんだと思いますけれども、いずれにいたしましても、一定の御理解を得られる方々が出てきておられるように思っておりますのが率直なところです。
 いずれについても、今後ともこの必要性については、その必要性につきまして国民の御理解を一人でも多く得られるように努力をしていかねばならぬと思っております。

○牧山ひろえ君

 総理、御覧のとおり、国民の世論は大きく分かれております。そして、昨年の参議院選挙で私たち、参議院が勝つことによって、今まで議論されていなかったことがたくさんの時間を費やされて、そして年末には反対という意見が上回ったわけですね。最近では決めかねている方も多いと思いますけれども、やっぱり十分な審議の下、十分議論をした上で国民に決めていただきたい。そして、この給油活動を続けたいのであれば、国民世論と真摯に向き合うために国民の信を問うべきであると思います。

 次に、内閣の支持率についてお尋ねしたいと思います。
 報道によりますと、内閣の支持率は下降、下がってきているようです。新テロ特措法の延長を議論する以前に、国民は内閣を支持していないのではないでしょうか。要するに、国民は今こそ麻生総理が勇気を持って国民の意見と向き合うことを期待しているんだと思います。国民の信を問い、その結果選ばれた議員によって日本の国際貢献について徹底的な議論を望んでいるはずです。後期高齢者医療制度のように制度そのものに問題があるならば、一度制度を終わらせて、その上でゼロベースから人生の先輩方の医療制度を立て直すべきだと思います。
 小泉元総理は、サラリーマン増税をしないと選挙の前に公約をして、そして増税し、また安倍元総理は、年金問題を必ず今年の三月までに解決すると言って、あっさり逃げました。そして、福田前総理は、拉致問題を自分の手で解決すると言って、敵前逃亡されてしまいました。
 総理、総理は具体的に任期中に何をしようとしているんでしょうか。もし具体的にこれだという政策がございましたら、一つでも結構です、一つで結構です、これだけは実現するという政策を語っていただきたいと思います。お願いいたします。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) いろいろなところで、御質問の内容は何をしたいかということを聞いておられる、その一点を聞いておられるんでしょうか、ちょっと質問がいろいろ飛びましたので。そこが御質問の内容ですね。
 今は、短期的には何といっても景気回復だと思っております。これが、今私がやらねばならぬ一番のものは何かといえば、短期的には景気対策と思っております。

○牧山ひろえ君

 具体的なお話を、これから景気対策についてまた後ほど聞くチャンスがあったら聞きたいと思いますけれども、とにかく、できることはできる、できないことはできないという素直な政治を国民は求めているんだと思います。
 何かと話題になるねんきん特別便ですが、たしか政府は今年の九月までにやり遂げると言っていたかと思います。実は、私の知り合いの手元に先週の土曜日、ねんきん特別便が届いたんです。十月二十五日です。ところが、中を開けてみると九月十一日付けだったんですね、本当にこれおかしいなと思うんですが。やはり、できることはできる、できないことはできないと言わないと、こういうまやかしの政治が生じてしまいます。
 このまま来年の九月まで国民の民意を問わずにいたら、日本丸は沈没してしまうかもしれません。今こそ勇気を持って国民の意見を聞くときなんだと思います。
 さて、もう一点、衆議院による三分の二の再可決についても述べます。
 パネル三を御覧ください。テレビを御覧の皆様も記憶に新しいところと思いますが、新テロ対策特措法案が昨年の十一月十三日に衆議院で可決され、その後、ここ参議院では一月十一日に否決されました。しかしながら、その同じ一月十一日、この法案は衆議院でいわゆる三分の二の再可決により成立しました。さらには、ガソリン暫定税率もそうでした。再可決について、世論はどういう結果になったか。この再可決には、国民は不適切であると明確な意思を示しています。
 政府はこの新テロ特措法案も何とかして再可決させようとしているようですけれども、総理、国民は大変厳しい目で監視すると思います。それでもこの法案を通すというなら、この際、国民と向き合って、そして国民の意見を聞いて仕切り直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) これはガソリン税率の話とは関係ない話ですね、この資料が出されていますけれども。

○牧山ひろえ君
 三分の二を使うということについての……

○内閣総理大臣(麻生太郎君) だから、これとは関係ないわけね。

○牧山ひろえ君

 いや、関係ないわけじゃなくて、三分の二を使うということです。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 何でガソリンの話がここで出てくるのか、ちょっとよく理解ができないんですが。
 補給支援活動というのは基本的に、先ほどからも答弁しておりますように、継続は是非とも必要だという点に関しては全く変わっておりません。
 テロとの戦いというのは、御存じのように依然続いております。世界中がそれに参加して、四十か国以上の人があそこに人を送っていろいろやっておりますのは御存じのとおりなんであって、そうした中で国際社会の一員である日本だけがそこから撤収するという選択はないんじゃないかと、基本的にそう思っておりますので、是非とも参議院においても御賛同いただければと思っております。

○牧山ひろえ君

 そろそろ時間となりましたので、また後ほど再開したいと思います。

○委員長(北澤俊美君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。

○委員長(北澤俊美君) ただいまから外交防衛委員会を再開をいたします。  休憩前に引き続き、テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。牧山ひろえ君。

○牧山ひろえ君

 民主党の牧山ひろえです。引き続き、よろしくお願いいたします。
 さて、午前中、日経平均が一時七千円を切りましたけれども、総理の耳に入っていますでしょうか。日本は比較的傷が浅いと総理はおっしゃっていましたけれども、それは本当でしょうか。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) もう七千円戻ってませんか。少し遅いと情報が思いますけれども、七千円既に超えていると思いますが。いずれにしても、これほど下がるという状況というのは二十六年前ぐらいの話ですから、状況としては厳しいというのははっきりしております。
 ただ、私が申し上げたのは、比較の話を申し上げているのであって、ヨーロッパの国々、またアメリカの国々に比べて金融がそんなに痛んでいるというわけではないと申し上げております。

○牧山ひろえ君

 では、午前中の積み残しについて質問したいと思います。
 さきのASEM会議では竹島問題について触れなかったそうですけれども、外務大臣を経験されていらっしゃる総理の竹島問題についての御認識をお示しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 竹島の領土が日本国の固有の領土であるというのは、終始一貫ずっとどの会合でも同じことが言われ続けてきております。これまで日本の政府の態度が変わったことは一回もありませんので、改めて申し上げるまでもないと存じますが。

○牧山ひろえ君

 それでは、外務大臣にお聞きしたいんですけれども、竹島問題について認識をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(中曽根弘文君) 今総理からも御答弁ございましたけれども、竹島に関する我が国の立場は一貫しておりまして、我が国固有の領土であるということでございます。

○牧山ひろえ君

 もう一点、テレビ中継が切れましたので、もう一度御意見を伺いたいと思います。
 このパネル三についてです。(資料提示)総理は、このパネルを御覧になって、全く関係ないと言われていましたけれども、このデータは、衆議院による三分の二の再可決が正しいと思うかどうかというものです。ガソリン税がいいかどうかと、そういうことを聞いた質問ではございませんでした。衆議院による三分の二の再可決が正しいかと思うかどうかという世論調査を行ったものです。
 再可決についての国民意見を全く関係ないと言ったんでしょうか。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは、ガソリン暫定税率のときの話を引かれましたから、これはこのテロとは関係ないんじゃないかと申し上げました。

○牧山ひろえ君

 ガソリン暫定税率のときに聞いただけであって、そのときに国民は三分の二による衆議院の再可決を正しいと思うかどうかという、そういう直近の民意でございます。こういう直近の民意を、やっぱり総理、耳を傾けていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 直近の民意に耳を傾けるというのは大切なところです。
 しかし、同時に、例えば過去を振り返ってみますと、いろいろなときに、消費税というのは、竹下内閣のときだったときも、あのとき多分直近の民意は反対であったと思いますが、結果的に政府・与党としては消費税というのを取らしていただいてスタートしたと存じますけれども、結果としてはあの選択は正しかった、私どもはそう思っております。やっぱり消費税というものは必要な間接税と思っておりますので、その意味では、直近の民意だけですべて頼るというわけには、いかがなものかと存じます。

○牧山ひろえ君

 国民の世論調査というのは大変重要な資料だと思います。私たちもこういった国民世論調査は本当に真摯に受け止めて、これから慎重にこういった国民の世論を見ながら対応していった方がよろしいと思います。
 さて、魔の三十代問題という言葉がございます。これは、海外におけるボランティア活動などを通じて多くの知識と経験を積みながら日々国際貢献をしている日本の若者が、三十歳ごろになると、日本での生活に戻るために帰国すると就職のチャンスを失うというか、就職のチャンスがとても少なくなるというものです。私は時の高村外務大臣とこの問題について意見交換をしました。高い志を持った彼らの受皿を是非設けてほしい、設けるべきであるとの同じ価値観を得ました。
 さて、最近、十月二十一日、外務省は、在外公館の職員にNGOなどの経験者を、若干名ではあるものの募集を開始しました。しかし、二年間の任期付きの採用ですから目指すところは程遠い状態ですが、今後の進展に期待したいと思います。
 私は、こうした取組こそが真の国際貢献に資する活動であり、転用疑惑ばかり起きている給油活動には疑問を持たざるを得ません。具体的に言うならば、二十年度の予算では、二十一億円分の油を諸外国の艦船に無償で譲渡するために我が国の補給艦などが何と四十三億円もの燃料を使うというまさに本末転倒の状況なのです。本気で真の国際貢献をしていきたいのであれば、日本の法律、つまり憲法の定める範囲内で日本が主体的に実行できる支援をしていくべきだと考えます。
 例えば、アフガニスタンの国内にはいまだに一千万個の地雷があると言われております。この地雷をこつこつと除去しているNGO団体などに援助をするのでもいいですし、また、母子保健の向上のために日本発祥の母子手帳を広めることも私は意義深いことだと思います。
 大切なのは、命を奪うような又は命を奪う可能性のあるような行動に加担するのではなくて、命を守り、そして命をはぐくむような事業に支援することです。国民は必ず、そういう国際貢献であれば納得してくれると思います。
 総理は、外務大臣時代に行った演説を始め、去年のODA特別委員会においてもODA増額に前向きな発言をされております。総理、総理大臣となった今でもODAの増額に前向きあるいは積極的でありますでしょうか、それともお立場が変わった今は変わりましたでしょうか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) ODAに関しましては基本的に重要なものだと思っておりますし、今ODAのあれは、アメリカ、ドイツ、今五番目ぐらいになっているんじゃないかしら。こういった意味では、かつては断トツでやっておりましたけれども、予算関係でどんどんどんどん減っていったのが現状だと存じます。

○牧山ひろえ君

 繰り返し申し上げますけれども、命を奪うような又は命を奪う可能性のあるような、そういうことに、そういう活動に加担するのではなくて、命を守り、あるいは命をはぐくむような、そういう支援に日本の国際貢献はしていくべきだと私は思いますし、そういうことが大切だと思います。必ずや、そういった国際貢献であれば国民は納得してくれることと思います。
 さて、二十六日の毎日新聞によりますと、パキスタン軍が対テロ戦の転換を図り、武装勢力タリバンと対話を行いつつあるとの報道がございました。総理がASEMから帰国したちょうどまさにそのときです。総理、この件に関して、日本はどういったスタンスで対応することができますか。御所見がございましたらお聞かせいただきたいのと、またそういったところに給油する合理性についてもお伺いしたいと思います。パキスタン軍がタリバンと対話を行いつつある、そういった状況について日本のスタンスをお聞きしたいと思います。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) ちょっと質問の趣旨がよく理解できていないんですが、何ですか、今言っておられる質問は、パキスタンの最近の和平に向けての動きについて、日本はそれに応援していくかという御意見ですか。

○牧山ひろえ君

 はい、そうです。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 基本的には、これはパキスタンが主体的にやる話なんであって、パキスタンと国境を接しております西部と東部、アフガニスタンの東部、パキスタンの西部、いわゆるパシュトゥンという部族の地域のところでのお話をしておられるんだと思いますが、こういったところで、いろんな形で、何というの、和平をやっていくというのは、今ギラーニという人が首相なんですけれども、ASEMで会いましたときにもそういった行動をしようと努力しているというのは結構なことだと答えておりますが。

○牧山ひろえ君

 実は、今朝の部会でもこういったところに給油する合理性について伺った委員がおりましたけれども、その部会でのお役人さんの回答は、他国が給油しているのでした方がいいという、日本もした方がいいという、そういう回答でした。
 日本の外交力は、私はもっと緊張感が必要だと思います。私は、先ほどの白眞勲議員と同じ意見ですが、外交力といえば北朝鮮のテロ支援国家指定解除の件も同じです。同盟国であるアメリカが指定解除の通知を三十分前にしてきたのですから、これは大きな問題だと思います。
 続いて、防衛省改革会議についてですが、防衛省改革会議が八月に基本方針をまとめ、来年度予算に反映させています。ですが、改革の本丸の制服組と背広組の問題が骨抜きになっているなど、十分な内容ではございません。先ほど浅尾議員からも説明がありましたとおり、特別警備隊の死亡事案など、いまだに改革が必要な部分はたくさんございます。
 この防衛省改革について総理に伺います。石破前大臣が防衛省改革をやり遂げた、あるいは改革の道筋が付いたから大臣ポストを変更したんですか。認識をお聞かせいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 石破前防衛大臣が防衛庁の信頼回復のために組織の改革をいろいろやってこられたということに関して、私は、報告書も取りまとめられたと記憶しますので、多大の貢献をされたと思って理解をしております。したがって、その後を受けて、浜田大臣の下で今改革が、実現に向けた取組が着実に行われているというように理解しておりますが。

○牧山ひろえ君

 この防衛省の不祥事は、二十四万人の自衛官、二万人の事務官のほんの一部に起きたことであることと認識しております。しかしながら、一人の尊い命がなくなってしまったんです。組織として問題があるのであれば、責任者が最後まで改革を見届けるべきであったと思いますが、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 組織というものは非常に大きな組織でありますから、今のお話があってその人が最後までということになると、私どもとしては組織というものは常にある程度の時で活性化されていく、そういったのが必要なものだと思っておりますので、石破大臣がずうっといなければいけないものだとは思っておりません。

○牧山ひろえ君

 私は、もうこの選挙管理内閣は終わりにして、そろそろ国民の信を問うべきだと思います。やはり委員会は徹底審議を繰り広げる場だと思います。論戦内閣として徹底的な議論を行えないのであれば、一刻も早く国民の審判を受けてみるべきだと思います。海の向こうでは、経済対策と大統領選を両立させているんです。政治空白が起こるから選挙をしている場合ではないのではなく、選挙によって本当に国民が望む政策を堂々とぶつけ合うことが大切だと思います。
 総理、決意をお聞かせいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 大統領制と議院内閣制とまず違う点はしっかり認識しておいてこの種の話をしておかねばならぬことだと思っておりますのが一つ。是非、そういった意味では党首討論がさせていただけるように、よろしくお願い申し上げます。

○牧山ひろえ君

 先ほどの議題に戻りますけれども、国際貢献に関してですが、私はやはり命を奪う又は奪う可能性のあるような行動に加担する、そういった国際貢献は私は日本人には合っていないと思います。日本人はやはり平和を好む民族として、命を守るあるいははぐくむ事業だったら多くの皆さんが納得すると思うんです。私は、給油ばかりが、給油というか、転用疑惑ばかりが起きるこの給油活動に疑問を持たざるを得ません。
 平和的な国際貢献、これについてはいかがでしょうか、総理。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 日本人以外の人は皆平和的な人じゃないかのごとく受け取られますのでちょっといかがなものかと思いますが、日本人だけが平和的な対応をしているだけではありません。世界中皆平和を望んでおられる、それが常識だと思っております。日本人だけが特にすぐれてそう思っているだけではない、そういうように私自身は認識をいたしております。
 その上で、平和活動というようなものに関しましては、アフガニスタンでこれまでにわたって多額の医療に関しましてもいろいろな支援をしてきておりますのは御存じのとおり。ただ、それだけではということで世界中、治安の回復のためにはということでいろいろなその他のものが必要だというのは国際的な合意と思っておりますので、両方必要なんだと存じます。

○牧山ひろえ君

 今の同じ質問について、外務大臣はいかがでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) やはり支援のやり方には、この補給支援の法律で御審議いただいていますように、治安対策の面とそれからもう一つはやっぱり人道復興の面があるわけでありまして、両方がそろって、車の両輪という言い方していますが、のような形で支援をするというのが理想的でありまして、そういう意味で今アフガンのテロ対策ということで海上の補給活動の法案の審議いただいていますし、それから今総理からありましたように、アフガンに対しましては約千六百億円の人道支援、医療とか教育とかあるいは道路のインフラとかやっておりますが、そういうものを併せて行う、総合的に行うということが大切だと、そういうふうに思います。

○牧山ひろえ君

 給油に関して言えば、たくさんの方々、世論調査でもお分かりのように多くの方々がこれについて反対です。そして、九条も拡大解釈しているのではないかという意見も多数ございます。そういった意見について耳を傾けるべきだと思いますが、総理はいかがでしょうか。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 先ほども御答弁申し上げましたように、先ほどのそちらから示されたデータがありましたけれども、その資料によりますと、最近は賛成していただいている方の方が五割を超えておるという数字になっていただきましたので、いい資料を見せていただいたなと思って大変有り難いと思っております。
 したがって、だんだん理解を得られつつあるのかなと思っておりますが、引き続きこういった努力を我々はしていかなければならぬのであって、いわゆるこういうテロとの戦いというものに世界中が参加している、日本だけがその面から撤収するということはあり得ないのではないかということを申し上げております。

○牧山ひろえ君

 私は、最近の世論調査を見ても、例えば八割方、九割方の方が賛成と言っているわけではない、大体半分ぐらいの人が反対している、そんな中でそういう意見を無視するのはいかがなものかと思います。そして、先ほどのガソリン税のときの世論調査ではございますけれども、衆議院の三分の二を使って再可決するということにたくさんの方々が反対している。それにもかかわらず、もしかしたらこの給油についても三分の二を使おうとお考えになっているかもしれない。
 それについて私ももう一度お伺いしたいと思いますが、それでもこれを通そうという、この法案を通そうというおつもりでしょうか。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 先ほどから度々御答弁申し上げておりますように、この地域から、世界が戦っているテロとの戦いの中で日本だけがその地域から撤収する、他国はいずれも増派しているという中にあって日本だけが撤収することはあり得ないと、私はずっとそうお答えをいたしてきております。

○牧山ひろえ君

 先ほども申し上げましたけれども、少なくとも二十年度の予算では、二十一億円分の油を諸外国の艦船に無償で譲渡するために、我が国の補給艦などはその倍以上の四十三億円分の燃料を使うという、本当に本末転倒な状況なんです。これを不合理だと感じませんか。

○内閣総理大臣(麻生太郎君) 湾岸戦争のときに一兆八千億だか六千億だかの金を日本としては支出をしました。一兆八千億ですよ。そのときに、世界中、一番の被害を受けたのはクウェートでありますが、クウェートは大きな海外の新聞に感謝の広告を出しました、皆さんありがとうと。その中に日本の名前はなかった、一兆八千億円出していて。
 今、年間約二十億、まあ年によって違いますけれども、そういう中にあって世界中から感謝されている。そういった意味では、感謝されているという言葉が出てくるだけでもすごいと思いませんか。私は、そういった意味では、広告にこだわる気は全くありませんけれども、しかし現実問題として、現実問題として、僕は少なくとも、そういった国を代表される方々、そういった国々から、パキスタンからもアフガニスタンからも感謝の言葉が聞かれるというのは、大きな実績が上がっていると理解するのが普通じゃないかと、私はそう思います。

○委員長(北澤俊美君) 時間が来ております。終わりますか。

○牧山ひろえ君

 時間となりましたので、終わらせていただきます。  ありがとうございました。