参議院議員 牧山ひろえ 財政金融委員会 2009.3.24 質疑のある方は順次御発言願います。
民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。
NPOを制度設計しましたとき、いろんな方がかかわっておりましたけれども、最終的に私が考えましたのは、法人格を取得できないで困っておられるボランティア活動の方々がたくさんおられるので、そういう意味では法人格の取得を容易にしようということでNPOのあの法案ができたわけです。 しかし、そのときにどうしても私は避けたかったのは、やっぱり暴力団その他が仮装、隠ぺいのためにこういうNPO法人なんかを使うということは制度上断固阻止しようということと、NPOをつくったからすぐ税制上の恩典を受けられると、これもやっぱり不合理な面があるんだろうというので、これは実は二つとも法律の中で考えてそういう形になったわけです。 しかし、先生が御指摘のように、やはり社会のために、他人のためにいい仕事をしようというときに、やっぱり個人の善意が税制上一定の恩恵を受けられるというのは決して悪いことではないと私は思っておりますが、私どももそういうことについては随分言ってきたわけですけれども、やっぱり伝統的な日本の税に対する考え方は、寄附については寄附の目的となる団体の事業等を相当精査して、やっぱり相当な社会的価値がないとそういう寄附に対して税制上の優遇を与えないと、そういう点ではなかなか日本は昔から厳しい制度を取ってきた。 さてこれからどうするかというのは、もう一つ議論をしなければならないところであると思っております。
私も、やはりこの制度を悪用する方は避けなくてはいけない、そういう方がもしいらっしゃるとしたら悪用されないように気を付けなくてはいけない、高い認定基準をこれからも保ち続けなくてはいけないという思いは大臣と一致すると思います。
これだけ文化と思われるものが多様化しているときに、どの文化に対して税制上の優遇措置をとるかというのはなかなか難しい問題であります。それから、社会的ないろいろな福祉活動、慈善活動等も非常に多岐にわたっておりますので、どういう分野にそういう税制上のいろいろな措置をするか、これも判断の基準が実は非常に難しい。そこのところは考えなくてはならないんですが、そういうボランティアのほかに、やっぱり日本の伝統的な文化、新しい文化を育成するには、やっぱり予算上の措置あるいは税制上の措置、そういう両面にわたって物事が考えられていかなければならないのではないかと私は思っております。
私も大臣と同じ考えですが、文化的な面もありますけれども、税制面では是非大臣に検討していただきたいと思います。
これは専ら事務上の問題でございまして、先生が確定申告を御自分でおやりになった場合、寄附金控除に該当するかどうかという部分を書き入れたときに千円、二千円を書いて自分の所得からそれを控除するというほどのことがあるかというので、多分これは税の実務あるいは執行上の問題から五千円ということをしてあるわけで、これは加藤主税局長に答えさせますが、五千円というのは別にこの数字が絶対というわけじゃなくて、やっぱりおおむねこの辺で足切りをしておけば事務も繁雑にならないし事務量も多くならないということで決めた、言わばアビトラリーな数字だというふうに私は思っております。
済みません。前回も御指摘いただいて恐縮ですが、まさに今大臣から御説明させていただきました、あの五千円という数字というのはまさに決めていただく数字だと思います。 それで、私ども、前回もちょっと申し上げたことを補足させていただきますが、事務上の問題、それは課税当局及び寄附者本人の事務上の問題もございますが、私、前回ちょっと舌足らずでございましたが、結局、寄附金控除を受けるためには、寄附を受けた団体から領収書ですとか、それから当該団体が寄附控除の対象となる特定公益増進法人等である旨の証明書の写しを発行いただかなきゃいけません。したがって、寄附を受ける側のそういう事務も含めて、全体としての事務負担ということで私、御説明をさせていただいたところでございます。
寄附される側の負担というお話についても後ほどお話をさせていただきたいと思いますが、やはり多くの方々に寄附をしたいという気持ちがある方に参加していただくためにはやはり五千円という数字はとてもハードルが高いと思います。そして、先日お話にもありましたように電子化が今進んでいるわけですから、これが不可能だということはちょっと理解に苦しみます。また、電子化がどんどん進めばより細やかな数字、本当に一円単位でいろんなものが容易に計算できる、そういう時代がやがてやってくると思うんです。ですから、いつまでも五千円じゃないとという考えに固執するのはどうなのかなと思います。
お答えいたします。 e―Taxにつきましては幾つかインセンティブがございますけれども、まず代表的なものといたしまして、e―Taxを利用していただいた場合に還付申告につきましては処理期間の短縮を図るということを行っております。それから第二に大きな柱として、電子認証の普及拡大のために電子証明書等特別控除などの施策を取っておりまして、こうしたことにより普及を図ってきているところであります。 また、現在御審議いただいておりますこの法案には、電子証明書等特別控除の適用期限の延長が盛り込まれているところでございまして、今後ともe―Taxの一層の普及拡大に努めてまいりたいと考えております。
今いただいた情報、インセンティブについてですが、これで急激に利用者が増えるかどうか、これも検討する必要があると思います。賛否両論あると思うんですが、電子申告をする場合、寄附金控除額の算出時には、現行の寄附総額から五千円を引く仕組みではなく例えば千円を引くとか、民主党が提案しているようにある一定の限度額を設けた税額控除制度を設けてみるのも方法ではないかと思います。やはり納税者はよりメリットのある申告方法を選択するでしょうし、電子申告による税務の事務負担軽減も両立できるのですから行政負担の軽減にもつながると思います。
インセンティブというのはこの制度が普及するまでの過渡的なものでございまして、これをどの程度にするかというのは、余りインセンティブを与えますとe申告ができない人に著しく不利になるということもありまして、まあ五千円ぐらいがいいところではないかということで決めた水準でございまして、絶対的な水準というものは実はないと思っております。
コンピューターがうまく触れない方もたくさんいらっしゃると思います。そのためには、やはり税務署でそういった方が入力作業、電子入力作業ができるように、電子申告を進めるためにももっとスタッフや税理士の人が必要だと思うんですけれども、そういった意味でもそういう状況をいろんな観点から考えていかなくてはいけないと思います。
この限度を設けているという背景の思想は、個人が自分のお金の使い道は自分で決めていいということはあっても、やっぱり自分の好きなところだけに使われてしまうと国としては困ると。やっぱり控除をするにしても限度があるだろう。例えばこれを一〇〇%にすると話はすぐ分かるんですけれども、国の関与が全くなくなる、国民全体の意思の関与がなくなるということで、アメリカは五〇%ですから、日本も三〇から四〇に上げて、まあいいところまで来ているのではないかというふうに私は思っております。
私が申し上げているのは、NPOでも本当に人の命を助けるですとか高い公益性がある、そのようなNPOを指しているわけであって、そういった高い基準を満たしている、そういうNPOは支えるべき、私は応援するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
NPOというのは、公益のためにやっていただく、自分たちの、自分の利益のためにやっていないという団体です。これは、より優遇するというのは、多分そのメルクマールは国の仕事、公の仕事の代替性をどのぐらい持っているかということによって決まってくるんだろうと私は思います。これはまさに国や地方団体がやらなきゃいけない仕事、それを代わりにやっているという場合と一般的な慈善活動というものは、多分理念の問題としては取扱いが違ってもいいのではないかと私は個人的には思っております。
是非、高い公益性のあるNPOは積極的に応援していただきたいと思います。 先ほど参考人の方から、寄附を受ける側の領収書の発行ですとか、そういった事務的な手続の懸念のお話がありましたけれども、これは具体的にどの団体から言われたことなんでしょうか。具体的な例があったら教えていただきたいと思います。
これは一般論としてこれまで指摘されてきたことでございまして、例えば赤い羽根の共同募金のように小口の集める募金も結構ございます。そういうような場合に、赤い羽根募金に一つ一つ領収書を発行するということは実際なかなかできませんので。ただ、制度として寄附金控除制度の適用になれば当然求められれば出さざるを得ないということについて、実際問題として現場で対応ができるかどうかという議論はかねてから私ども検討の過程で議論をさせていただいております。
具体的な例がないのにそういうことをおっしゃるというお話を伺うと、何かとても消極的なお話を伺っているような感じがして残念なんですが、是非、そういった声がない限りは、少額の寄附でも受け入れてくれる、有り難く受け入れるNPOはたくさんあると思いますので、そういった方々を応援していただきたいと思います。
ホームページについてのお問い合わせがありましたので、ちょっとお答えをさせていただきます。 そもそも、国税庁長官は、認定NPO法人として認定をいたしましたときに、その法人の名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名並びに認定の有効期間を官報に掲載することにより公示することとされています。また、この公示された事項に変更があったときや認定を取り消したときも同様に公示することとされております。これを受けまして国税庁では、認定NPO法人について公示したこれらの事項を広く周知するために、国税庁のホームページに認定NPO法人の一覧を掲載しているところであります。 それ以上の詳しい事業報告とか、そういったことなんですけれども、これは分量が非常に大きくもなりますので、また制度的にも、まず所轄の税務署において認定NPO法人の事業報告書や収支計算書等を閲覧させるということにいたしております。また、御承知のように認定NPO法人自体もこれらの書類を閲覧することとされておりまして、認定NPO法人の行う広報活動と併せてこれらの制度も御利用いただきたいと考えております。 そしてさらに、ホームページにリンクを張るぐらいはするべきではないかという御質問ございました。我々の国税庁のホームページに各種のリンクについてのお問い合わせもあるんですけれども、国税庁のホームページから個々の認定NPO法人のホームページにリンクを張ることにつきましては、法人側のホームページのアドレスを継続的に管理していく必要があるということなどの問題があることから、慎重な検討が必要と考えているところでございます。
そんな大げさな問題ではないと思います。せめてリンクを張るということは容易なことです。それによって、各ホームページはそれぞれの団体が管理しておりますから、そんなに大げさに考えなくても大丈夫だと思います。
ハンガリーの例については私全く詳しくないのでコメントができないのは残念でございますけど、一般論として申し上げれば、国の予算編成においては、政府はやはり全国の国民各層の多種多様なニーズを総合勘案、調整して予算を作成し、それを国民の代表機関である国会に提出して御審議をいただいて御承認をいただくというプロセスになっておりまして、税金を集めるときからそれが決まってしまうという制度については慎重にならなければならないと思いますが、唯一例外は、日本の場合は政党助成金じゃないかなと私は思います。
参考までに、パーセント法は九六年にハンガリーで導入されて以来、ほかにもスロバキアですとかリトアニア、ポーランド、ルーマニアなどに広まっています。国によっては税務当局が振り込み手数料を負担するなど、そういった興味深い内容になっております。ハンガリーの例は寄附金ではなく税金そのものを納める場面での事例ですが、日本においてもこうした先進的な事例を参考に考えていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。
先生も御承知だと思うんですけれども、このハンガリーにおける一%ルールというのは、一九九〇年代に共産主義時代に没収された教会財産の返還方法として提案され、さらに、アメリカやEUから東欧のNGOに対する資金援助がだんだん小さくなってきたと、したがいまして教会や宗教団体やNGOを含む公益団体を対象として一九九七年に一%ルールというものを導入したわけで、ハンガリーの場合は特別な政治的、社会的な背景があったものと私どもは理解をしております。
資料五の私の試案で示すように、やはり選択納税についての検討をする価値があると思います。今、そういった国々だけのお話みたいなようなお話ですけれども、実はアメリカにもタックス・チェックオフという制度が連邦と州の双方にあって、納税申告時に税や寄附などの選択ができる仕組みもあります。ハンガリーだけではないんです。アメリカでも似たようなシステムがあります。日本でも実現の可能性があるんではないでしょうか。
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