質問主意書です。

表題:アフリカ支援に関しての認識及びTICADWへの取組についての質問主意書
 本年5月第4回アフリカ開発会議(TICADW)が横浜で開催される。アフリカ開発会議は、日本が議長国として開催する北海道・洞爺湖サミットへも繋がる重要な会議であると認識している。
 そこで、政府のアフリカ支援に関しての認識及びTICADWへの取組について質問する。

  1 アフリカ支援については、昨年4月の海外経済協力会議において、農業、インフラ、貿易、資源開発など「経済成長を通じた貧困削減」、教育、感染症対策、水など「人間の安全保障の観点からの支援」を重点的に行っていくとされたと承知している。また、平成19年度国際協力重点方針・地域別重点課題においても同様の政策目標が掲げられているものと承知している。ついては、TICADWに向け、平成20年度のアフリカ支援の方針について示されたい。

  2 アフリカ支援については、本年1月の国際協力に関する有識者会議中間報告において、メリハリのある援助、贈与の拡充などについて提言がなされている。同中間報告に対する政府の認識について示されたい。また、参議院ODA特別委員会においても、昨年6月の提言においてアフリカ支援について貧困削減と経済成長との好循環をもたらす援助、アフリカの持つ可能性を実現できる援助をすべきとしているが、同提言に対する政府の認識についてもあわせ示されたい。

3 TICADW開催に向けた準備状況に関して、現在参加を表明しているアフリカの国数は53か国中いくつか。また、未回答の国数はいくつか。国名もあわせ示されたい。

  4 参加を表明しているアフリカ各国のうち、首脳が参加する国、閣僚が参加する国、その他要人が参加する国の数及び国名を示されたい。

  5 参加について未回答の国、首脳が参加しないと回答した国に対し、今後政府としてどのような働きかけを行い、参加を招請していくのか、政府の認識を示されたい。

  6 今回のTICADWでは、「元気なアフリカをめざして」とのコンセプトの下、成長の加速化、人間の安全保障の確立、環境・気候変動問題への対処を重点事項としていると承知しているが、具体的にどのような成果を得ようとしているのか、また、TICADWの成果をいかにG8北海道・洞爺湖サミットに結合させていくのか、政府の認識を示されたい。

  7 2005年4月のアジア・アフリカ首脳会議で、当時の首相が国際公約として3年で対アフリカODA倍増を表明し、その後3年間の支援額は2003年基準の8.4億ドルから2006年の25.9億ドルに達した。このことは評価に値する。しかしながら、当時の首相は支援の中身について「中心を贈与(grant)とする」と言明していながら、実際には贈与額は同8.3億ドルから7.4億ドルへと漸減しており、倍増はしたものの、中身において達成したとは言えない。この点に関しての政府の認識及び同公約達成についての評価を示されたい。

  8 政府は、TICADW後の新たな対アフリカODAの目標として、ODA3倍増を検討していると聞いているが、支援内容も含め、その認識を明らかにされたい。その際、贈与を中心としていくのか、その形態に関しての認識もあわせて示されたい。

  9 いわゆる「資源外交」を目的としてアフリカ諸国への支援が各国から講じられているが、政府はこうした各国の支援策に対してどのような認識を持ち、日本は今後どのような取組をしていくべきと考えるか。援助協調の観点も含めて認識を示されたい。

  10 アフリカでは年5%を超す経済成長を達成している「元気な」地域がある一方、スーダン、チャド、ケニア、ジンバブエなど、成長の前提となる安定を欠いている地域もあると承知している。TICADWはアフリカ首脳が一堂に会する機会であり、アフリカの平和の構築・安定に取り組む好機でもある。「平和協力国家」日本として、TICADWにおいてアフリカの平和構築に向けて貢献すべきであると考えるが、政府としての認識及び取組方針を示されたい。

右質問する。

政府からの答弁書はこちらをクリックしてご覧下さい。